制作ノート その8


制作ノートその7から、気づけば1年以上もあいてしまいました!
引越しという大きな転機もあり、でも京都に越してきて約1年。
やっと自分の生活と制作のペースがつかめてきたところです。

今年は、参加した展覧会といえば10月のみそろぎ展だけ。
ここ数年は羊毛から離れて、初めての素材で初めての作り方を試す、ことを続けていたけれど
今年はまた随分と久しぶりに羊毛からオブジェを作った。
慣れ親しんだ素材で、こんなイメージにしたい、と思う時には積み重ねた経験値もあり、
その上でさらに新たな実験もしてみる、、
と、ほんの少し余裕も感じながら制作できた。
3点出来上がったところで、ちょっと大人しい感じになってしまってるな、なんて思い始める。

最後にもう1点、これからはこの方向へ行こう、との思いでオブジェを作ろうとしていた。
時間切れとなってしまい出来なかったのだけど、
「この方向」というのは、2000年にニューヨークに行った時に思い浮かんだものだった。
みそろぎ展の企画者である羽関さんが、ニューヨークで開いた人形展に私も誘ってくださって
出展、同行した。
それまでアジア、ヨーロッパ方面ばかりをバックパッカーで旅してた自分にとって
ニューヨークの街の空気は全く違って感じられた。(テロの起きる半年前だった)
多種多様なものを受け入れている空気、ここにいたら新しく生きていけるんじゃないか、、
そんな風に思わせてくれる、力強く新鮮な空気感だった。 
街歩きをする中で、教会に入った。
その教会で、祈る人、歩く人、立ち尽くす人、達に混ざる中で、床に敷かれた絨毯の模様が
いつの間にか人形のイメージとなって 強く浮かび上がってきた。

いつか必ず作ろう、と思いながらずっとそのままになってしまった。
それは多分、ひと型がイメージとして現れた、ということよりもその背後に何があるのか、
がとても大きく深いようで、だからすぐには取りかかれなかったのかもしれない。

もう寝かせてはおけない、そこへ向かおう、とスケッチを繰り返しフェルトの試作を始めた段階で
時間切れとなった。 でも次の個展に間に合えば、と思っていたら、
羽関さんから、今回のみそろぎ展での作品をとても気に入ってる、
12月にモスクワの人形展に出しませんか?と誘っていただいた。

それまでに完成したらモスクワに間に合う!
2000年のニューヨークの空気、教会の中で得たあの直感、
18年も作れないでいて、やっと今そこへ向かって進んでいる。
いざ形にしようとなると掴めそうでつかめない、近づこうとすると遠ざかっていくもどかしさ。
まだ時間に余裕のある今は、そんな状況も味わいながら進んでいく。
タイミングの不思議さや有り難さに感謝する気持ちで、制作できることが嬉しい。




(今までの制作ノートはこちらにあります。 年に数回、亀の歩みで綴っています)

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by gurujia | 2018-11-05 11:57 | 制作ノート | Comments(0)
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